【短編】ある一日【エムな娘】
甘い匂いで目が覚めた。

時計を見ると昼過ぎ。何時も通りの昼夜逆転の生活。

私は起き上がってベッドの上でぼんやりとしていた。寝起きは悪い方だ。


「あー、おはよう」
「……はよ」
「相変わらず寝起き悪ぃなあー。ご飯、和食だぜ」
「……ありがと」

ぼんやりとした頭で返すと、「ん、別に」と新太郎は笑った。

ご飯にデザート。食欲を満たした後はぼんやりとテレビを見ていた。


「何か、新太郎といると落ち着くなあ……」
「何ソレ。肩でも揉めってこと?」
「え、何、いいの?」


私はマゾだけど、優しくされるのも好きなのかもしれない。

傷テープの下に痛みはもうなかったけれど私の心は充実していた。



そんな毎日。私はマゾ、彼はノーマル(たぶん)




   終


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