それいけヒーロー部

影響


それからしばらくは、ヒーロー部の活動も生徒会とのかかわりも表面上は変わらずに事が進んでいった。


マリリンの絵は毎日せっせと描いているため完成間近だ。


最近はヒーロー部の活動をしながらマリリンの部活が終わるのを待つ生活が続いている。




生徒会との接触は、前に話した通り海先輩と葛西先輩が積極的に絡みに行っているみたいだ。


先輩たちが生徒会と会議をしているときはあたしと銀次郎、陣野くんでヒーロー部の活動をしている。




本来ならば校舎内で人気の少ないところ、喫煙やリンチが起きやすそうなところを中心に見回りをしていくが、

あたしはいろいろと厄介な目が多いらしいので今は自分の教室で課題を進めながらお留守番だ。




見回りをしている銀次郎と陣野くんから連絡が入れば現場に向かうし、何もなければそのまま帰宅という感じ。


ちなみに連絡が入るのは5日に一回くらいだし、連絡のほとんどが緊急性のないものなので、あたしの出番は無いに等しい。



課題を進める机の端に置いたあいぽんが一件のメッセージを受信した。



“プール裏 数6 喫煙+りんち けが人有大至急”



銀次郎からのメッセージに立ち上がる。

荷物を片付けて教室に残っていた他の子たちに適当にあいさつをして教室を出る。


今日はどうやら忙しい方の日らしい。

大至急ということはもう銀次郎と陣野くんは接触したかな。



ヒーロー部のメッセージは必要な情報しか上がってこない。


場所、相手の人数、違反名、緊急度の4つがほとんどだ。



その場のメンバーで何とかなりそうなときは『必要なし』、

そこから緊急度によって『遅』『急』『至急』『大至急』とレベルが上がっていく。



あたしは今非常に動きにくい状態らしいので、大至急のときしか出動を許されていない。


今回は6人と相手の人数が多いから呼ばれたのだろう。

それか被害者が重体で救急が仕事かもしれない。


兎にも角にも、人に見つからないように、人通りの少ない道を選んで現場まで走った。



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