クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
15、自分が知らなかった自分 ー 悠人side
五十嵐がやって来た次の日、俺は彼女を連れて札幌郊外にあるアストライアの試験場にやって来た。

今日の目的は、うちで開発している自動自動車の試乗。

自動自動車の開発は他社も力を入れているが、うちの会社は今年の十二月に開催されるパリのモーターショーでのプレス発表を目指し、去年の二倍の開発費を投入した。

車の出来は上々。

高速道路も市街地も自動で走れるアストライアの自動自動車は、今回のショーの目玉と言っていいだろう。

「性能はもちろんだけど、デザインもいいし、これなら注目を集めるでしょうね。ちょっと乗ってて面白かったわ」

試乗に満足したのか、五十嵐が自動自動車の走行をじっと眺めフフッと笑う。

「俺としては、スポーツカーの方が好きなんだがな。自分で運転出来ないのは物足りない。まあ、これはこれで面白いが」

小さい頃から俺はスポーツカーが好きで、今は車を三台所有している。
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