クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
そんな立ち入った事……言えるわけがない。

「とりあえず、今は自分の手の心配と仕事の心配をしろ。来週から佐藤さんはいないんだから」

暗い顔をしている私の頭にポンと手を置いて微笑すると、朝比奈先輩はミーティングルームに戻っていく。

そんな彼の後ろ姿をじっと見ながら、私は心の中で呟いた。

婚約者役を頼むなら、五十嵐さんの方が良かったんじゃないですか?

五十嵐さんならきっと会長だって納得する。

私じゃやっぱり……荷が重すぎます。ミスキャストですよ。
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