クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
面白そうに脅迫めいた言葉を口にすると、朝比奈先輩はベッドから離れて部屋を出ていった。

「ああ~、早く家に帰りたい」

朝比奈先輩の気配がなくなると、私は泣き言を言いながら寝返りを打ってベッドに突っ伏す。

彼が側にいたのでは益々風邪が悪化しそうだ。

帰るに帰れない最悪の状況。

でも、この時の私は自分の身に更なる不幸が降りかかるとは思ってもみなかった。
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