愛の胡蝶蘭<短編>
『……これは、和が?』


「……いや、違い……ます。」


大きな鉢を和が、封筒を私が、家の中に持って行って。


2人、鉢を前にソファに座る。


カサリと音をならしながら、開いた白い封筒の中。




゛胡蝶蘭の花言葉゛  



゛幸福が飛んでくる゛



゛純粋な愛゛



゛どうか、蘭に幸福が飛んできますように。゛


゛蘭が、笑っていますように。゛





大きな鉢に目を向ける。




真っ白なその、花。




可愛らしい、その花。




『………っ、』


「綺麗ですね。」


『……っん、』


こくこくと頷いて。




『ありがとう、雄。』



小さく、消えていく言葉は。



彼に、空の上の彼に、届いているだろうか。






「……夏休みは、お墓参りちゃんと行きましょうね。」



『……うん、』



去年は、行けなかったそこに行く約束をするよ。



必ず、2人で笑って会いに行くから。



約束だよ。




『3人で、会おうね。』




変わらない、3人で。




また、必ず。




fin.
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