恋も試合も全力で!【番外編】

*君との始まり【槇】



【槇】


「ねぇ、槇。
あたしたちが付き合い始めた日、覚えてる?」


綾子のこの一言で、俺はあの日のことを思い出した。


忘れるわけねーじゃん。

今までで1番、綾子が可愛かった日のことを。



―――
――――――


高校に入学して、1ヶ月半が経った頃だった。

南高校バドミントン部の一員として、俺は体育館にいた。


まわりには、パートナーの裄、

裄の想い人、浅海、

そして、俺が想いを寄せる綾子。


今からダブルスのゲームをする。


もうすぐ高校初めての県体。

まだ1年の俺たちも、ダブルスだけは出させてもらえるみたいで。


気合い充分だった。


裄とのダブルスは、何度か優勝だってしてる。

それは綾子と浅海も同じで。

お互いメラメラと炎が燃えていた。




< 57 / 162 >

この作品をシェア

pagetop