ヒロインになれない!
「それって、恭兄さま、貧乏くじ引いてるんじゃないですか?」
恭兄さまはにっこりと微笑んだ。
「大丈夫だよ。僕、こう見えて優秀だから。完全に繋がりを絶って、どこの検索にもかからない、正真正銘の幽霊会社にした上で暴利を貪るから。」
……この人、何言ってるんでしょう……。
兄に救いを求めるように、目を向ける。
「まあ、今まで通り販路が保証されてる限り問題ないと俺も思います。あとは、のちのち、恭匡さんの名前に傷がつかないかだけが心配やったんですけど、」
兄はそこまで言ってから、私に向き直って続けた。
「恭匡さんは、俺が思った以上に、清濁併せ呑める人やわ。由未、うかうかしてると浮気されるで。大事にしーや。」
は!?
「義人くんっ!」
珍しく恭兄さまが、狼狽していた。
私には、やっぱりよくわからなかった。
わからないながらも、恭兄さまと兄が以前よりも打ち解けて仲良くなってはるような気がして、うれしかった。
ま、いっか。
私にとって恭兄さまはまだまだ未知数でどちらかというと心配な人やけど、逆に女性関係以外は全幅の信頼を寄せる兄が大丈夫と言うなら大丈夫なのだろう。
……浮気云々は無視するとして。
15時頃、兄がそわそわし始めた。
夜、花火を見に行く約束があるらしい。
「いいな〜。花火。いいな〜いいな〜。」
間違いなくデートだろうから私も一緒につれてって!とは言えない。
でも、うらやましい。
そもそも京都市内では花火大会はない。
むか〜し、御所に花火の火が燃え移ったことがあったらしく、現在も開催できない。
なので、どうしても花火大会に対して強い憧れがある。
彼氏ができたら一緒に見に行くんだー!って、ずっと思ってた。
……セルジュん家にいた時はあちこちで花火大会はあるものの、親より厳しいセルジュは夜に外出させてくれなかった。
まあ、芦屋浜の花火はセルジュん家から見ることはできたけど。
兄はさらりと言った。
「観覧席のチケットあるで。来るか?俺は相手したげられんけど。恭匡さん、由未を連れてやってくれませんか?どうせ、さっきの嘘でしょ?夜、今日は何も予定あらはりませんよね?」
予想外の成り行きだった。
「え!いいの?行く!行きたい!恭兄さまは……嫌ですか?」
恭兄さまは、はしゃぐ私に目を細めた。
「由未ちゃんが行きたいなら、お供するよ。どこの花火?」
「3月まで由未が住んでた近くです。観覧席も家主の彼女とお友達のために取ったんですが、今日は帰宅が遅くなるらしくて。」
そうなんや!
静稀さん、お稽古遅くならはるんや。
大変やなあ。
「ほな、行こか!」
兄に急かされ、私達は車に乗り込んだ。
恭兄さまはにっこりと微笑んだ。
「大丈夫だよ。僕、こう見えて優秀だから。完全に繋がりを絶って、どこの検索にもかからない、正真正銘の幽霊会社にした上で暴利を貪るから。」
……この人、何言ってるんでしょう……。
兄に救いを求めるように、目を向ける。
「まあ、今まで通り販路が保証されてる限り問題ないと俺も思います。あとは、のちのち、恭匡さんの名前に傷がつかないかだけが心配やったんですけど、」
兄はそこまで言ってから、私に向き直って続けた。
「恭匡さんは、俺が思った以上に、清濁併せ呑める人やわ。由未、うかうかしてると浮気されるで。大事にしーや。」
は!?
「義人くんっ!」
珍しく恭兄さまが、狼狽していた。
私には、やっぱりよくわからなかった。
わからないながらも、恭兄さまと兄が以前よりも打ち解けて仲良くなってはるような気がして、うれしかった。
ま、いっか。
私にとって恭兄さまはまだまだ未知数でどちらかというと心配な人やけど、逆に女性関係以外は全幅の信頼を寄せる兄が大丈夫と言うなら大丈夫なのだろう。
……浮気云々は無視するとして。
15時頃、兄がそわそわし始めた。
夜、花火を見に行く約束があるらしい。
「いいな〜。花火。いいな〜いいな〜。」
間違いなくデートだろうから私も一緒につれてって!とは言えない。
でも、うらやましい。
そもそも京都市内では花火大会はない。
むか〜し、御所に花火の火が燃え移ったことがあったらしく、現在も開催できない。
なので、どうしても花火大会に対して強い憧れがある。
彼氏ができたら一緒に見に行くんだー!って、ずっと思ってた。
……セルジュん家にいた時はあちこちで花火大会はあるものの、親より厳しいセルジュは夜に外出させてくれなかった。
まあ、芦屋浜の花火はセルジュん家から見ることはできたけど。
兄はさらりと言った。
「観覧席のチケットあるで。来るか?俺は相手したげられんけど。恭匡さん、由未を連れてやってくれませんか?どうせ、さっきの嘘でしょ?夜、今日は何も予定あらはりませんよね?」
予想外の成り行きだった。
「え!いいの?行く!行きたい!恭兄さまは……嫌ですか?」
恭兄さまは、はしゃぐ私に目を細めた。
「由未ちゃんが行きたいなら、お供するよ。どこの花火?」
「3月まで由未が住んでた近くです。観覧席も家主の彼女とお友達のために取ったんですが、今日は帰宅が遅くなるらしくて。」
そうなんや!
静稀さん、お稽古遅くならはるんや。
大変やなあ。
「ほな、行こか!」
兄に急かされ、私達は車に乗り込んだ。