何もない関係
破局

「ごめん、別れよう」

そんな彼女、ナツからの言葉で破局を迎えることになった。

「うん」

小さくうなづき、悲しいのを我慢する彼氏、ユウ。

「まだ12時だから私帰るね、おやすみ」

と、本当はユウの一人暮らしの家のお泊りするはずで着たパジャマを脱ぎ、帰り仕度を始めた。
帰ろうとするナツの手を握り、帰るのを邪魔する。

「手離して、帰れないでしょ!」

「今この手を離したらナツがどこか行く気がしてイヤだ」

「家に帰るだけじゃん、朝バイトだから帰って寝かして~」

「イヤだ」

いつになく強情なユウ。
さすがに別れ話を出されたら必死になるのだろうか。
だが、ナツの手を握りそのまま寝てしまったユウ。

「…寝てる?」

さすがに呆れた。
ナツは自分の手をユウから抜き取り、またパジャマに着替え一緒に寝た。

(今日だけ特別だよ)

と、心の中で呟き、ナツはユウの横で寝た。
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