先生と私
卒業式まで残り一週間。
わたしは一貫の高校に進学する予定だったので毎日退屈だった。
「ゆい!」
「うわっ」
登校道中、突然わたしに話しかけてきたのは、唯一無二の親友、みゆきだった。
「あーびっくりした。おはよう、みゆき」
「おはよ!ふぁー」
みゆきはむにゃむにゃと目をこすっていた。
きっと昨日も夜遅くまで勉強していたのだろう。
みゆきは一般受験で東京の公立高校を受けると言っていた。
「試験まで、考えてみるとあと一週間くらいか。」
「そうだよー。はー、緊張するっ」
「頑張ってね。みゆきならきっと受かるよ」
わたしはいつも通り応援の言葉をかけた。
わたしに出来ることはこれくらいだ。
「あはは、ありがとね、ゆい」
みゆきはにかっと笑ってそう言った。