こじらせ女子の恋愛事情
その翌日、私は部長に有給を申請するための書類を出していた。

「なるほど、おじさんの介護で来週1週間ほど休みをいただきたい…ね」

書類を見ている部長に私の心臓はドキドキと鳴っていた。

寝る前に考えた理由は、“父方のおじが交通事故に遭ったので、おじの介護をするために休みたい”と言う理由だった。

もちろん、ウソである。

全ては書き下ろしのためである。

おじさん、ごめんなさい。

名前を拝借したうえに、有給を申請するために利用しちゃって、本当にごめんなさい。

見本誌が届いたら、おじさんの大好物の明太子と一緒に持って行くから、それで勘弁してください。

心の中でおじさんに謝ると、
「はい、わかりました。

ゆっくりと介護をしてくださいね」

部長が書類にハンコを押した。

やった、通った!

「ありがとうございました!」

私は頭を下げると、自分のデスクへ戻った。
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