こじらせ女子の恋愛事情
それらの松坂くんの行動を冷静に考えてみると、彼は私に近づきたかったのかも知れない。

あの頃みたいに私と仲良くしたかっただけなのかも知れない。

「思い出したことを話して、ちゃんと謝ろう」

私は呟いた。

今の今までのこともあるから許してはくれないけれど、何度でもいいから謝ろう。

そう思ったのと同時に、1週間前から支配していた胸の痛みがなくなっていることに気づいた。

全ての真相がやっとわかったから胸の痛みが消えたのだと、私は思った。

とにかく、松坂くんのことがわかってよかった。

ふと時計に視線を向けると、午後10時を過ぎていたところだった。

「あっ、もうこんな時間!」

原稿のチェックは明日か明後日までに終わらせるとして、お風呂に入って寝る準備をしよう。

私は椅子から腰をあげると、バスルームの方へと足を向かわせた。
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