こじらせ女子の恋愛事情
「ああ、その資料ね」

私は椅子から腰をあげると、
「確か隣の資料室にあったはずなんだけど」

オフィスを出た私の後を追うように、松坂くんもついてきた。

資料室に入ると、
「7年前、だよね?」

松坂くんに聞いた。

「7年前です」

松坂くんが答えたのを確認すると、
「えーっと、7年前は確かこの辺りに…」

奥の方へと足を勧めた。

7年前の通販商品が書いてあるファイルを手に取ると、それを開いた。

「あっ、これだ」

探していた商品の資料が見つかったので、松坂くんに渡した。

「ありがとうございます」

松坂くんはお礼を言うと、私の手からファイルを受け取った。
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