こじらせ女子の恋愛事情
私のわがままとは言え、自業自得とは言え、本当に大変だった。

何しろ、3回も徹夜をしたのだ。

睡眠時間が3時間の状態で会社に行き、仕事中に何度居眠りをしそうになったか…。

本当によく頑張ったぞ、私。

発売まで間にあわせると宣言したものの、間にあわなかったらどうしようと不安だった。

「あっ、新刊出てる!」

ちょうど私の横を1人の女子高生が通りがかった。

女子高生は嬉しそうに私の新刊を手にすると、レジの方へと持って行った。

へえ、最近は女子高生もこう言うのを読むのか。

私の作品がきっかけで、彼女もケータイ小説を書き始めたりして…なんてね。

女子高生の後ろ姿にそんな妄想をふくらませていたら、
「お待たせしました、やすえさん」

声が聞こえたのと同時に、ポンと私の肩に手が置かれた。
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