こじらせ女子の恋愛事情
「だって、ここ…」

「ええ、人事部ですよ。

人事部に用があるからきたんですよ」

人事部を指差した私に、松坂くんが言い返した。

「何かつらいことがあったって言うのはわかるけど、人事部に訴えるって言うのはちょっと…」

「だから、何の話をしているんですか?」

松坂くんはイラついたように、もう1度聞いてきた。

「松坂くんが会社を辞めるのかと…」

そう言った私に、
「ああ、そう言うことですか。

全く違いますから。

俺が用があるのは、彼女の方ですから」

松坂くんは視線を向けた。

そこにいたのは、人事部の子だった。

名前は…横井さん、だったかな?

私よりも年下の彼女の顔を見つめていたら、松坂くんが私を手で示した。
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