総長と女番長 ~ときどきお兄ちゃん~
second
そして、あっという間に一週間がたち、

テストの日を迎えた。

相変わらず、わかるわけなく、名前だけは丁寧に書いた。

少しだけわかったところだけ書いたけど…自信なんて全くない。

まぁ、0点は避けたい。


結城はどうなんだろう…。横目で見てみた。

机に突っ伏して寝てた。

あーあ、赤点確定…。アイツもそうだろな。

嫌だな、もし二人だけだったら…他の人いればいいのに…。


そんな願いは叶うはずもなかった。


朝のHomeRoomでハッキリ言われてしまった。


うちのクラスで全教科赤点取ったやつ…。

私と結城だけだった。


やっぱりそうか。


うん、嫌だけどしょうがない。

補習どうしよう?バックレる?


よし、バックレよう。


それを言われてから授業が始まった。

なので憂鬱で仕方ない。


相変わらず勉強はわかんないし。
寝るか…。そう思ったけど…体はタバコを欲しがってる。

私は席を立ち上がると、屋上に向かった。


屋上に着くと先客がいた。

ソイツもタバコをふかしてる。


結城だった。

結城…。

二人きりの屋上、会話は無いが二人でタバコをふかしてる。


赤点、俺とお前だけだったなー

結城もなんか嫌そうな顔をしている。

朝からあんなこと言われたらやる気出ないよね…私が言うと、


そうだな。と結城は言った。

重そうな言葉に何も言えなかった。

一応補習受けとくか?ーそうだね…。

私たちは何となく、受けることにした。

バックレようと思ったのに…意外にも、結城が受けるとか言い出すから…バックレられなくなった。

仕方ないか。うん。

その日の放課後、私と結城は教室で補習を受けていた。

頭が狂いそうになりながら、課題をやりきった。

腹へった、なんか食って帰ろう?と結城は言った。

悪い…私、あんたと飯食いに行きたくないー

なら、せめて送ってこうか?と言い方を変えて言ってくる。

普段の結城からは考えられなくて…少しだけどきどきした。


けど、素直じゃない私


いいよ。送らなくて…一人で帰れる。私を誰だと思ってるのー

まぁ…そうだよな…

じゃあお先…

結城は帰っていった。

あーあ、一人になっちゃった…どーしよう

しばらく考えたけど…とにかく、帰る準備をして、私は教室を出た。

下駄箱に着いて、靴を履き替えていると、

やっぱり、送るよ…

なぜか、結城はいた。

まぁいっか、そう言ってくれるなら。

私は送ってもらうことにした。

並んで歩く私と結城、

会話なんてない。それでも、結城は歩調を合わせて隣を歩いてくれている。

結構いいやつなのかも…。
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