君の隣
理名×拓実

同窓会

ある夏の夜。


 澄んだ夜空のもと、涼しい北風が頬を撫でていた。

岩崎理名《いわさきりな》は、成人式以来となる同窓会に参加していた。

 高校時代は黒ぶちメガネをかけ、制服もきちんと着こなすボーイッシュなスタイルがトレードマークだった。

 私服も男の子に間違えられるほどだった。

今は黒い髪をショートからボブに伸ばし、メガネもコンタクトに替えている。

 この日は、黒いラウンドネックのワンピースを着ていた。
 前から見るとシンプルだが、背中が大きく空いたデザインだ。
空き具合は、リボンで調節可能だ。

 足元は、青のサンダル。

 肩からは、手帳も入らないサイズの、ネイビーの鞄が下げられている。

高校時代の同級生たちから、次々と同じ言葉がかけられる。

「似合う!」

「雰囲気変わったね!

 高校の頃とはまるで別人だよ!」

「昔から理名は可愛いんだから、自信を持ちなって言ったでしょ?
 まったくもう」

その飾らない率直な言葉が、理名の心にそっと染み渡った。

お酒も入り、場はかなり盛り上がっている。

 
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