君の隣
慎也の声は、深くてあたたかい。

「どんなに準備しても、不安は湧いてくるよ。

 だって……人生で一番、大きな出来事のひとつなんだから」

麻未は、彼の胸元に顔を埋めるようにして、小さく頷いた。

「きみが怖いって思うのは、ちゃんと命に向き合ってる証拠だよ。

 きみはすごく真面目で、一生懸命で──

 その分、責任もいっぱい感じちゃうんだ」

「……うん」

「でも、忘れないで。

 きみは、ひとりじゃない。

 俺はずっと隣にいるよ。

 ずっと、一緒に、いるからね」

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