恋がしたい。ただ恋がしたい。

どうやらその期待は失望に変わったらしい。


純くんは……私もだけど、基本的に人に頼まれた事は断れないからなぁ。


スルーしたまま返信しないのは失礼かも、と思いながらも『気がつかなかった』っていう言い訳で今日は乗り切る事に決めた。


はぁ、とため息をつきながら時計を見る。早く寝ないともう明日になってしまう時間になっていた。


「……裕介くん、遅いな。」


ラストの勤務だとしても、もう帰って来ていてもいいはずなのに。


「もう寝よっと。」


つい独り言が出てきてしまう。


9月いっぱいで『Felitita』を離れる裕介くんが、新店舗のオープン準備と業務の引き継ぎで休みも取れないほど忙しいのは、十分に分かってる。


時間が取れない中でも、私と出来るだけ一緒にいる時間を作ってくれているのも。


だけど、こんな風に話したいなって思った時に裕介くんが側にいないと、途端に無性に寂しくなってしまう。


深いため息を吐きながら、私は裕介くんの寝室のドアを開けた。
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