恋がしたい。ただ恋がしたい。
私達が恋人同士になって初めてのデートをしたその日に、私は裕介くんのベッドで初めて朝を迎えた。
その時に、裕介くんにこんなお願いをされたのだ。
『たまにでいいんだけど……ここで僕の帰りを待っててくれないかな?』
『起きて待ってなくてもいいよ。疲れて帰って来た時でも香織ちゃんを抱き締めながら眠れたら元気になれるかなと思って。僕にとって、香織ちゃんは唯一の癒しだからね。』
『ねっ、お願い。』
キラキラとした笑顔でそう言われて、気がついたらコクンと頷いてしまっていた。
私はまたしても、彼のキラキラキラースマイルの前にあっさりと陥落してしまったのだ。
その日以来、私はほぼ毎日こうして裕介くんのベッドの中で彼の帰りを待っている。
自分の生活ペースが乱れるのを何よりも嫌っている自分が、こんな風に彼氏のテリトリーに毎日入っているなんて、本当に信じられない。
そんな私の性格を知っている裕介くんが、『たまにでいいよ』って言ってくれたのも分かってる。
なのに、こうしてベッドに残っている裕介くんの気配に、香りに、存在に甘えてしまっている自分がいるのだ。
裕介くんが私の事をどんなに好きかっていうのは、今は隠す事なく伝えてくれるから、充分過ぎるくらいに分かっている。