恋がしたい。ただ恋がしたい。
「でもさ、香織ちゃんだって純くんの家に行くこと黙ってたから、おあいこだよね。」
痛い所を突かれて、うっ、と言葉に詰まる。
「眠ってたら奏一くんの電話で起こされて、いきなり『崎山、今純の所に行ってるけど、お前知ってる?』なんて聞かされた時の僕の気持ち、香織ちゃんは考えてくれた?」
「……ごめんなさい。」
確かにその通りだよね……。自分だって今日の事を言えなかったのに、裕介くんを責めるなんて間違ってる。
「そうじゃなくて。怒ってるんじゃないから、しゅんとしないで。同僚なんだから行こうよって誘われたら、断れないのは分かってるから。でもさ、頭では理解してるつもりでもいざその瞬間になったら、ふっと不安な気持ちとか他の感情が湧いてくるんじゃないかと思って、心配だったんだよね。」
「もう香織ちゃんと純くんはお互いに過去にきちんと折り合いを付けたし、パートナーもいるし、ちゃんと前に進んでるよね。」
「だけど、香織ちゃんは奈緒子ちゃんに会ったら、僕の立場を考えちゃうんじゃないかなって……何となくそう思ったんだ。」