恋がしたい。ただ恋がしたい。
「『Milkyway』の事はごめんね。頼まれたのも急だったし、話をする時間も余裕も無くて。それにパンの仕込みって凄く力のいる仕事だから、ほんとクタクタになっちゃって……って言い訳になっちゃうんだけど。」
「本当なら、朝に香織ちゃんにベッドで声をかけた時にちゃんと説明するべきだったんだよね。分かってたんだけど、僕がいけないというか、何て言うか……香織ちゃんの顔を見ちゃったら、癒されたいって感情のほうが先に立っちゃって……気がついたら抱き締めてたし、気がついたら癒されてぐっすり眠っちゃってた。」
「あと、パンの仕込みが終わってから、さすがにそのままでは帰れないので『Milkyway』でシャワーを借りてました。」
「……いつもと違う香りがするのは香織ちゃんならすぐに気がつくだろうと思ってた。……でもさ、香織ちゃんは分かっててもそれを聞けない人なんだって事、すっかり頭から抜けてた。それは本当に反省してる。不安にさせてごめんね。」
「新しいお店の事は確かに共同経営者っていう立場だけど肩書きはマネージャーだし、嘘はついてないよ。まだ色々と中途半端で、全部目処がついたら家族や香織ちゃんにはちゃんと説明するつもりだったんだ。」
何だ……そういう事だったんだ。
一つ一つ説明を聞いたらいちいち不安になる事じゃ無かったのに。
最近の私達は、触れあってはいたけど、言葉が足りなかったのかもしれない。