小さな恋のメロディ
陽子の存在で保っていた、この気持ちが又揺れ始める…。

どうすればいい?

”綾香の事、まだ好きみたいだよ”

聞かなきゃ良かった…。

鳴海との結婚まで後2ヶ月を切った今、何が出来る?


考えても考えても答えは見付からなかった…。


こんな時、鳴海から電話が鳴る。

今は話したくない……。


「はい」

「俺。何してた?」

「何も…」

「元気無いね…何かあった?」

「ごめん。今は話したくないの…」

「俺が心配してるのに…何だよ、その態度はっ!」


もう、やめて…。
涙が出る……。


「どうした?今から行こうか?」

「来なくて…いい…」

「いや、行くよ」


そう言って鳴海は電話を切った。

私は気付いたら、携帯を握りしめたまま家を飛び出していた。

走って

息が切れても走って

たどり着いたのは

哲平の家だった……。

お父さんの手伝いをしていた哲平は、すぐに私に気付いて私の方に来る。


「どうした?」


私は哲平の顔を見て、思いきり泣いた。

今迄、自分を押さえつけていた物を全て吐き出すように、思いきり泣いた……。


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