君に熱視線゚


「あっ!ねぇ由美、苗っ!今度の土曜日、学校終わってから暇ある?」

屋上で苗と由美がランチタイムを堪能中のところにクラスメートの中島が駆け寄って聞いた。


「土曜?ごめん、あたし土曜は塾だよ」

「そっかあ…じゃあ、苗は?」

「……なに中ちゃん?土曜に何があるの?とりあえず土曜日はバイトないから、暇っちゃあ暇だし忙しいっちゃあ……忙しいかな?」

苗は曖昧な答えを返した。

「それがさぁ。今度、お隣さんとうち合併するじゃん!…んで、結城に通ってる1コ上の従兄いるんだけど、お近づきのしるしに合コンでもしないか?…てさっ!どう、行けそう?上手くいけば未来の社長夫人の座もゲット出来るかもよ」

中島は目をキラキラさせながら興奮気味に言った。

「合コン!?……やだよぉ!!そんなお坊っちゃん達と合コンなんて会費高いに決まってんじゃん!!」

「…っ…さすがなえちん……嫌になっちゃうくらい現実的ね…社長夫人の夢よりも目先の出費を考えるなんて…」

力んで断言する苗を見つめ、由美は小さく呟いていた。

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