君の優しさに拳銃を突きつける







「待ってよ裕ちゃん


僕も一緒に行く」




春斗が立ち上がると


俺達も無言で立ち上がり


二人のあとを追う




考えすぎなのかもしれないけど


やっぱり心配だ

















ここ数日でわかったこと



蒼空は俺たちに何も言わないってこと



どんなに尋ねても



どんなに心配しても



蒼空は俺達にそれ以上は



なにも言ってはくれないんだ





だから余計 心配でならない















「なあ…颯


俺の予感が当たってなければ


いいんだけどさ……」



「…………」




隣で歩く拓弥が


気まずい雰囲気を漂わせる





「蒼空ちゃんさ、誰かに


暴力振るわれてないか?」



「!?」



「いや……本当に俺の勘なんだけど




蒼空ちゃん、怪我してると思うんだ」






拓弥の言うことなら確かかもしれない


こいつの親父は医者で


昔から父親の手伝いで何人もの


患者を診てきたらしい









< 108 / 155 >

この作品をシェア

pagetop