恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


「あ、そう。そりゃ助かる」


爽やかに笑う矢野センがオレの肩をポンと叩く。

叩かれた場所が、いつまでも矢野センの手の感触を残した。

……重く深い、大人の男の想いを。





小林……

小林が好きになった相手は……きっと間違えなんかじゃない。


誰よりも、誰よりも、強く小林を想ってて

誰よりも、誰よりも……小林の未来を大切にしてる。


自分の気持ちを押し殺してまで……小林の事を――――……



手強すぎる恋敵。


オレは……

オレは――――……



6時間目開始を知らせるチャイムが鳴り響く。


教室に戻ると、授業に遅れたオレは先生に怒られて、そんなオレを小林がクスクス笑った。


小林の小さな笑顔が、胸を突く。



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