愛を運ぶケーキ屋さん

そのまま珈琲とケーキ、店の雰囲気を堪能した二人は満足気に席を立った。

私はレジを済ませ二人を見送るために外へ出る。

店から真っ直ぐ繋がる緩やかな下りに二人は手を取り合った。

すると、藤崎さんがこちらを振り返った。

「君と、この店に出会えたおかげで俺は忘れかけていたものを取り戻すことができたよ」

「それは、光栄でございます」

私は自然と嬉しさで微笑む。

同じように二人も優しく微笑んでくれた。

「此処は···


”愛を運ぶケーキ屋さん”だな!」

そう言い、去っていく二人の背に向かい私は言葉を送った。

感謝を込めて、愛を込めて。



「また、お待ちしております」







1cake* 「 Period cake 」 ...end
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