セピア‐ため息の行方
  それにしてもこれはいったいどう言う事なのか?とふっと花梨の心の中は次第に不安で一杯になってきた。そして花梨はこの時軽いカルチャーショックを覚え、頭の中がクラクラしてきてその場で倒れ込みそうになった。


  すると『ズキッ!』と花梨の頭が再び鈍く痛んだ。『あっ、まただ……』花梨の意識下で時折襲う何とも言えない鈍い頭の痛み。それが絶え間なく繰り返される。


  やがて花梨は痛む頭に軽く手を当てながら試行錯誤を始めた。ちなみに自分は曾おじいちゃんの奥さんである李に一度も会った事がない。それなのに何故か?花梨はセピア色の写真の中でしか見た事がないはずの若い頃の姿の李さんと今此処でこうして会って話をしているのだ。次第に花梨は自分が夢でも見ているような錯覚に陥ったような気がして不思議で仕方がなかった。
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