セピア‐ため息の行方
  それを聞いて花梨は『ハリーポッター』を思い出した。ちなみに『ハリーポッター』の物語では魔法学校に通い魔法を学んで魔法を使えるようにする。尚、花梨は魔法使いと言うのはそもそも勉強をしなくっても、初めから生まれながらにして魔法が兼ね備わっているもであって、それがすぐ自然に使えるものであると思っていたのだ。

  だからこの世界でのスピリチァルな事柄もこうして一つずつ学ばなければ身につかないものであると言う事を知り、多少戸惑いの気持ちがあったのだ。そして特殊な力と言うものは何事に於いても勉学の末にもたらされるものであって、そうたやすく手には出来ないんだ。つまり何処の世界でも楽をしては生きては行けないと言う事なのだろう?いやこの世界では生きると言う言葉は元々存在してはいないのかな?だったらなんて言えば良いのだろう?


  とにかくこうして花梨はこの先も日々スピリチァルな事に関する全ての知識を、李と蛍子それぞれの得意分野毎に入れ替わり立ち代り交互に展開される講義を通して、驚きと戸惑いの中で少しずつ雛子と共に学んで行く事になるのである……。
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