不良様と生徒会長様!
僕は、両親に捨てられてから他人を信じれない。よくある話だよ。今は一人暮らしだけど、去年まで孤児院で生活してた。
寂しいとかもう慣れた。目つきが悪くて無愛想な僕に寄ってくる奴なんて、水無月だけだよ。物好きも居たもんだよね。
「水無月ー、八神ー。」
走ってやってきたのは、水無月のクラスメイトの鈴木真司だ。手には、何故か手錠が握られている。
「山本真司!」
「いや、鈴木真司だから。さっきさー、演劇部から手錠貸してもらってきてさ!だから、二人で付けとけよ。」
ーガチャン
…は?何これ…。
手錠は片方ずつ僕と水無月の手首に付いている。鈴木は、ニコニコしながら僕たちを置いて去っていってしまった。
「なんでぇぇぇ!!山本ぉぉぉぉ!!!」
「ちょっ、いきなり動かないでよ!」
暴れ始める水無月。手錠が擦れて手首が痛いんだけど。そして、なんで手錠が演劇部に…。鈴木、後でシメてやる…!