【空色の未来[海色の過去]】
「ここが今日からお前のクラスだ」
葵は教室に入る前にこちらに振り向き
そして目をしっかり見てきた
私も逸らさず葵の目を見た
少しの沈黙が二人の間で起こった
そして先に目をそらしてきたのは
葵だった
葵は照れくさそうに、頭をかきながら
「戻ってきてくれてありがとうな」
一言そう告げ中に入って行った
全くこの人たちは何時までも本当に優しすぎる。
でも懐かしいような暖かい気持ちになれた。
__、私戻ってこれたよ
__の場所に
私は青空が見え始めた空を見上げて
空に向かって微笑んだ…
「美緒」
後ろから葵が呼ぶので私は空を見上げるのをやめて教室に向かった
カツカツカツ…
黒板に葵は私の名前を大きく丁寧に書き始めた
やっぱり先生なんだな…
字が綺麗…
葵は昔からの努力馬鹿だったな…
若干鑑賞に浸っているとそれに気がついた葵が睨んできた
あー、怖い怖い。
私は黒板を見るのをやめて教室を見回した
色とりどりの髪の色した生徒が多かった
赤、緑、金、青、紫、茶、オレンジ…
目が痛くなる…てかチカチカしそう
ふと後ろの席が5、6人ほど空いてるのに気がついた。
誰か座るのかな…
私はとりあえず、窓側の一番後ろに席を確保した。
そしてちょっとだけ空を見上げて
腕を枕にして寝た…
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
教室が騒がしくなる
(あの転校生、葵先生の目の前で寝てるぜ)
(度胸あんな、俺だったら怖くて寝れねえよ)
生徒の会話は全部聞こえてたが別にたいして気にしなかったからそのまま寝た…
眠っている間に時の歯車はパーツが揃い回り始めているとも気がつかずに…