【空色の未来[海色の過去]】
何時もと変わらず寝癖のついた髪を
ワックスで後ろに流して家を出た…
普通に門から入ろうとすると女とかが集(タカ)るから何時も裏門をつかう。
……ダル
青龍の溜まり場である屋上に重ダルく一段一段昇っていくとそこにはもう彼奴等が揃っていた。
「響也おはよ」
ふわふわの茶髪で犬みてえのが
青龍の幹部、櫻井 夏樹(サクライナツキ)
「おせーよ」
短気で喧嘩っ早い赤髪の筋肉馬鹿は
同じく幹部、柴田 佳祐(シバタケイスケ)
「響也おはよう♪」
チビで女顔負けの童顔、女嫌いの金髪は、同じく幹部、速水 涼介(ハヤミリョウスケ)
「おはよう」
この中で一番まともな奴、真面目で優男の藍髪のこいつは、同じく幹部、
黒木 祐介(クロキユウスケ)
こいつ等は色々と自分の闇を抱えててだからこそ分かりあえる良い仲間だと思う。
俺は胸ポケットから煙草を取りだしミント系の臭いのする紫煙をたてた。
「朝からモーニングコールで起きるとはさぞかし幸せに浸るでしょうね。
毎朝毎朝自分で起きようともせず放っておけば一日中寝てしまう。
朝から電話する私の身にも考えていただきたいですね。」
棘のある朔弥の言い分に俺は引いて危なく制服に煙草の灰が落ちそうになった。
嫌味と愚痴を溢すこの腹黒銀髪は
青龍の副総長、高杉 朔弥(タカスギサクヤ)
参謀を務めてて洞察力はかなりの物だ。
俺を率いる青龍はこいつ等がいるから成り立っているといっても過言じゃない。
そんぐらい大切な仲間だ。
俺は柵に寄っ掛かりながらふざけあいながら笑ってるこいつ等を遠い目で見た。
すると、佳祐がピアスホールを失敗したらしく保健室に夏樹と向かった。
阿呆だな佳祐…
俺は苦笑してもう一本煙草を手に取り
火をつけた…。