【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜


「嫌な思い出、ストレスを抱えていた原因そのもの、無意識に彼女が思い出したくないと思っている…それらが理由じゃないかと」



「…俺……」



俺は未菜にとって嫌な記憶でしかない──



「先輩のせいで、未菜がこんな目にあってしまったんですよー」



俺のせい…



その時、脳裏にあの日のことが思い浮かんだ。



『もう嫌っ!!』



『待って!未菜!』



走り出した未菜の背中。



キィィィィ──!!

ドンッ──



そして煩いブレーキ音と鈍い音。

道路に広がる赤い血。



忘れたいのに、忘れられない記憶。

そして、絶対に忘れちゃいけない記憶。

< 22 / 254 >

この作品をシェア

pagetop