彼は藤娘
一気に緊張感が私を支配する。
「あ、こんにちは。ほんとに来てしもたけど……」
「顔色悪い?震えてるみたいやけど。」
私は、首をかしげて竹原くんを見た。
「やっぱり無理かも。はは……」
乾いた笑いで頬が引きつる。
竹原くんは、にっこり笑った。
「大丈夫。無理強いするつもりはないから。とりあえずは、あきちゃんの望み通りに、あいつを見に行こっか。話しかけたくなったら仲介したげるし。」
笑顔と気遣いに私は安堵のため息をついた。
「……めっちゃ親切ですね。」
「女の子には。」
ニコニコそう言う竹原くんは、確かに親しみやすく感じた。
竹原くんに連れられて校内を歩いてると、気のせいではなく注目を集める。
「制服も似合ってたけど、今日はまた一段とかわいいわ。」
な~んて、さらっと言ってくれちゃうから、何だか居たたまれない。
「はい、こっちから入って。」
昨日の展示教室の隣の部屋に案内された。
ここは物置になってるらしい。
教室の奥からテラスに出て、カーテンの隙間から隣の教室を覗く。
展示スペースのバックヤードのようだ。
「あれ?さっきまで裏で作業しとってんけどなあ。ちょっと待ってて。」
そう言って、竹原くんは1人で展示教室の中に入り、しばらくすると派手な色彩の大荷物を抱えて戻ってきた。
「今、受付してるわ。廊下に面して座ってるから、こっちからやと後頭部しか見えん。」
そう言って、竹原くんが私に渡したものは……ペコちゃん?
「力作やろ?3年生の劇の小道具で作らはったん、借りてきた。俺も付き合うし、かぶり。」
竹原くんは、ポコちゃんのかぶりものをかぶった。
張子の虎のように和紙でできたペコちゃんとポコちゃんの頭は、確かによくできていたし、軽くてかぶり心地はそう悪くなかった。
……大きなポコちゃんの頭をかぶっていても何となくかっこよく見えるのはなぜだろう……竹原くん。
「かわいいかわいい。ほな、行こか。客寄せのつもりで手ぇふったり愛想しててくれたらええし。念の為に声は出さんときや。」
竹原くんはそう言って私の手を引っ張った。
手ぇ!つながれてますけどっ!!!
私たちはバックヤードから展示室へ出て、人の流れと逆らって受付の前に来た。
いた!
受付席で記名を促しているのは、正真正銘、彼だ!梅宮くん!
ひや~~~。
やっぱりお美しいわぁ~~~。
ペコちゃんのおかげで、私はじっくりと見つめることができた。
「あ、こんにちは。ほんとに来てしもたけど……」
「顔色悪い?震えてるみたいやけど。」
私は、首をかしげて竹原くんを見た。
「やっぱり無理かも。はは……」
乾いた笑いで頬が引きつる。
竹原くんは、にっこり笑った。
「大丈夫。無理強いするつもりはないから。とりあえずは、あきちゃんの望み通りに、あいつを見に行こっか。話しかけたくなったら仲介したげるし。」
笑顔と気遣いに私は安堵のため息をついた。
「……めっちゃ親切ですね。」
「女の子には。」
ニコニコそう言う竹原くんは、確かに親しみやすく感じた。
竹原くんに連れられて校内を歩いてると、気のせいではなく注目を集める。
「制服も似合ってたけど、今日はまた一段とかわいいわ。」
な~んて、さらっと言ってくれちゃうから、何だか居たたまれない。
「はい、こっちから入って。」
昨日の展示教室の隣の部屋に案内された。
ここは物置になってるらしい。
教室の奥からテラスに出て、カーテンの隙間から隣の教室を覗く。
展示スペースのバックヤードのようだ。
「あれ?さっきまで裏で作業しとってんけどなあ。ちょっと待ってて。」
そう言って、竹原くんは1人で展示教室の中に入り、しばらくすると派手な色彩の大荷物を抱えて戻ってきた。
「今、受付してるわ。廊下に面して座ってるから、こっちからやと後頭部しか見えん。」
そう言って、竹原くんが私に渡したものは……ペコちゃん?
「力作やろ?3年生の劇の小道具で作らはったん、借りてきた。俺も付き合うし、かぶり。」
竹原くんは、ポコちゃんのかぶりものをかぶった。
張子の虎のように和紙でできたペコちゃんとポコちゃんの頭は、確かによくできていたし、軽くてかぶり心地はそう悪くなかった。
……大きなポコちゃんの頭をかぶっていても何となくかっこよく見えるのはなぜだろう……竹原くん。
「かわいいかわいい。ほな、行こか。客寄せのつもりで手ぇふったり愛想しててくれたらええし。念の為に声は出さんときや。」
竹原くんはそう言って私の手を引っ張った。
手ぇ!つながれてますけどっ!!!
私たちはバックヤードから展示室へ出て、人の流れと逆らって受付の前に来た。
いた!
受付席で記名を促しているのは、正真正銘、彼だ!梅宮くん!
ひや~~~。
やっぱりお美しいわぁ~~~。
ペコちゃんのおかげで、私はじっくりと見つめることができた。