キミに捧ぐ愛


それからも、海里は少しずつ本音を話してくれた。


寂しくて苦しくて仕方なかった時、歩美やクラブで言い寄って来た色んな子と浮気をしたこと。


歩美との浮気疑惑があった時、本当は引き下がらずに感情的になって怒って欲しかったらしい。


止めて欲しかったと。


そしたら、少しは自信が持てたのにって。



あたしが本音を隠したことで、海里を傷付けていたなんて知らなかった。


そんな風に思っていたなんて、考えてもみなかった。


勝手な想像で作った海里のイメージは、全部あたしの空想だった。



「離れてから余計にお前のことを疑うようになって……多分もう、お前に何言われても信じることなんか出来ねー……」


ドクンドクンと鼓動が鳴って胸が張り裂けそう。


「別れねーって言ったけど、女に振られるのがみっともなくて、とっさにに出ただけだから。俺らーー」



このあとに続く言葉を聞きたくない。


どうしても涙をガマン出来なくて、初めて海里の前で泣いてしまった。


嫌だ。


……嫌だよ。


『別れない』って言ったじゃん。



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