キミに捧ぐ愛
「付き合わないけど……」
「ふーん、そっか。なんで?」
「なんでって聞かれても、よく知らない人だったから」
「知ってる奴だったら付き合うんだ?」
なんだかムッとしているヒロトの突き刺すような目付きが怖い。
すごく責められてるような感じだ。
「知ってる人だったとしても、付き合わないよ。好きじゃないし……それに、あたしはまだ海里のことが……っ」
好きだから。
前ほど苦しくはなくなったけど、思い出にするにはまだ時間が足りない。
こんな気持ちのまま、他の人と付き合うなんて今はまだ考えられない。
「元彼に未練があるんだ……?」
「未練っていうか……。なんでそんなこと聞くの?あたしの話なんか、どうでもいいでしょ」
これ以上話すと気分が沈んでしまいそうだったから、話題を変えたかった。
「どうでもよくねーだろ。気になるんだよ、ユメのことが」
気になるって……。
どういうこと?
前に泣いてるところを見たから、心配してくれてるの?
「ごめん。やっぱ忘れて。俺が気にすることじゃねーよな。変なこと聞いて悪かった」
「え?あ、うん」
そのあとヒロトは前を向いてしまい、それ以上なにも言ってはこなかった。