キミに捧ぐ愛
ベットの上にダイブして枕に顔を埋める。
弟たちとは顔を合わせたら話すけど、あたしはほとんど部屋から出ないから、そこまで仲が良いわけじゃない。
リビングの前を通り過ぎた時、賑やかに談笑する声が聞こえた。
普段なら気にならないのに、今は胸が苦しくて仕方ない。
どこにいてもあたしはひとりで、どこにもあたしの居場所なんてない。
あたしは家でも邪魔者なんだ。
そう突き付けられた気がして苦しい。
さらには海里のことが頭から離れなくて、どうにかなってしまいそうだった。
ーーコンコン
「結愛ちゃん、ご飯は?」
ドアの向こうから遠慮がちな声が聞こえて、背筋がピンと伸びる。
あたしのことを邪魔者扱いしてるくせに、パパがいる時だけ良い人振ったりしないでよ。
「お父さんがあなたに会いたがってるから、下りてらっしゃい」
ドアの向こうから聞こえる声に激しく胸が締め付けられる。
「体調悪いから……今日はもう寝る」
「そう?なら、お父さんに伝えておくわね」
母親はそう言い残して階段を下りて行った。