キミに捧ぐ愛
期待していたわけじゃない。
だって、期待するだけムダだから。
あたしの心配なんて……してくれるはずがないんだから。
だけど胸が痛いのは、あたしの中にほんのわずかな期待があったからだ。
いつしか諦めるようになってしまった、ほんのわずかな期待が。
たった一言『大丈夫?』って、そう言って欲しかった。
胸が苦しくて涙が込み上げて来た。
やっぱりあたしは……邪魔者なんだ。
普通なら無条件でもらえるたったひとりの人からの愛情が欲しい。
ママ……どうして死んじゃったの?
ママからの愛が欲しかった。
カバンを探ってスマホを見たけど、いつもと変わらない待ち受け画面がそこにあるだけで海里からの連絡はない。
わかってたことだけど苦しくて切ない。
今頃、誰と何をしてるの?
海里……っ。
大好きな海里にまで裏切られたら、あたしはこの先どうすればいいのかな。
何も考えたくないのにあれこれ妄想しちゃって、涙が止まらなかった。