嘘と本音と建前と。
長い付き合いの楓と短い付き合いの香織は似ているようで似ていない。


容姿の話ではなく、性格の話だ。


少なくとも香織と同じだけの時間を共有しても疲れる気がしない。


出会い方が違えば自分も香織のことを好きになっていたのだろうか。


そう思いながらも自分の人生で空知と出会わないなんてことは

考えられなかった。


本を閉じると視界には天井と電気だけになった。


照明の明るさに手で目を覆った。


隙間から差す光でさえ眩しすぎた。







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