嘘と本音と建前と。
吃驚した様子で見てきた空知の目を真剣に見つめ返した。


「演技だから。」


司の真面目な声に空知ははっとした様子だった。


文化祭当日七組の劇を見に行こうかと検討したが空知と回る予定なので無理そうだなと司は思う。


恋をするとこういう面倒臭い事も発生するのか。


「ほら、早く戻るよ。」


空知はまだ後ろ髪を引かれるようだが一応司のペースに合わせて歩けている。


「ちょっといいかな。」


教室に着くやいなや腐女子のもとい衣装係のリーダー藤井に声を掛けられた。


手には完成したらしい衣装を持っている。


刷毛を持つ司の元に小道具係の川西が寄ってきて「貸して。」とぶっきらぼうに言った。


納得のいかない司だが渡さないわけにもいかず手渡すと「頑張ってね」と意味ありげに微笑み去っていった。


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