恋する僕らのひみつ。
「なんか嫌な予感がするっていうかさ」
「おまえはヘンなとこ心配症だよな」
結雨は俺の顔を見つめる。
「そういえば、殴られたとこ平気?」
「いまごろ思い出したのかよ。おまえ最近、俺のこと雑じゃね?」
「ふふっ」
「笑うとこじゃねーし」
結雨は手を伸ばし、俺の頬にそっと触れた。
「痛いの痛いの飛んでけーっ」
「治るかよ、アホ」
俺は結雨を抱き締める。
「これで治るの?」
「んー」
「ホントに?」
「んー」
「湊……好きだよっ」
「なっ、なんだよ、急に」
俺はパッと結雨の体を離した。
「ちょっと!照れないでよ。あたしまで恥ずかしくなる」
「うっせー、バカ」
俺は頭を掻きながら、結雨を置いて先に歩き出す。
「待ってよっ」
後ろから追いかけてきた結雨は、俺の腕にぎゅっと絡みついた。
「歩きづれぇだろ」
「えへっ」
「離れろって」
「やだよーだっ」
ペロッと舌を出して、結雨はニコッと笑った。
――だけど、結雨の予感はあたってしまった。
その日の夜、
奈乃が、いなくなった――。