睡眠不足。君不足。
電話が切れて1分足らずで彼は来てくれた。

同じ会社に働く私の上司。

1分足らずでこれたのはマンションの部屋が横同士だから。

「またかぁ…昨日は何分寝た?」

合鍵で部屋に入って私の顔を見るなりそう尋ねられた。

「5分…」

「それは寝たに入らないからな…。」

そうやって微妙な顔をしながらも撫でてくれる手は優しい。

「いつもよりは? 辛いか?」

私の目を覗き込みながら問いかけられて反射的に顔が赤くなる。

「お前なぁ、もう何年目だよw
そろそら慣れろよな」

そう言って笑われてしまった。

「うぅ…いつもよりはマシ。
多分だけど」

「睡眠薬は?」

「捨てた」

私があまりにも眠れないせいで医者から睡眠薬を貰ったけどあれは嫌い。

怖い。

「たくっ」

「わっ!」
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