彼岸花の咲く頃に
さよなら
中学になったら駿と、同じ学校になった。
入学式の桜の木の下で、撮った記念写真には二人仲良く並んでいる。
「駿。」
「何?好咲。」
そんな私達を周りはカレカノと呼んだ。
もちろん私達は気にしない。
「好咲!俺今日部活ないんだ!一緒に帰ろ?」
「わかった。」
駿は背が伸びた。この頃には私を抜いていた。

並んで歩く私達をいつしか夫婦と呼ぶ人が増えた。
「ほんとに夫婦ならいいのにね」
ぼそっと呟く駿。
「なぜ?」

「死んでも……一緒の墓に入れるから。」
「今、死ななきゃいいじゃん。」
「そ、そうだよね!俺何馬鹿な事言ってんだろ。アハハハ」
必死に笑顔をつくろう駿に私は嫌な予感を抱いていた。
「好咲さ、俺お前と結婚したい。」
「な、何言ってるの?」
「大好きなんだよ。ずっとそばにいて欲しいんだ」
「そ、そんなの。ずっとそばにいて欲しいのは私だよ。」
「アハハ。そう??じゃあ、約束しよう?」
「約束?」
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