奏で桜
そんな彼が何故、執事という仕事を
しているのか、僕にはわからないが、
そんなことはどうでもいいことだった。




「そういや、たしかお前、
こっち来んの今回限りでいいとか
抜かしてたな。
もう、準備はできたのか。
で、いつ〝脱走〟するんだ?」


帰宅している最中での
森にある境界の近くで、彼は僕に
ついでに物事を聞くような感じで
尋ねてきた。




「…それは、お嬢様次第…
ですかね。」


僕は、適当に答えた。
< 70 / 169 >

この作品をシェア

pagetop