愛を探して・・

✡✡達哉サイド


達哉‥‥サイド

本当に、本当に‥‥
心から梨乃を愛していた。

離れたくなかった。

妻の綾には、全く愛情はなかった。
だが、綾も俺の母親のせいで
苦しんで泣いていた。
その姿に、一度だけ抱いた。
そのときの子供だ。

梨乃から、愛情があるから
抱いたのだ‥‥と、言われたが。
自分でもわからなかった。

ただ、梨乃はもう、俺とは
一緒にいてくれないと
わかっていた‥‥‥
でも俺は、俺は、
やはり梨乃と一緒に‥‥

梨乃とは、体の関係はなかった。
離婚して、綺麗になってから
抱きたいと、思っていたから

胸が張り裂けるように
辛かったが、
いまさら、綾を捨てるわけにも
いかずに
一緒に新しい店にうつった。

綾は、俺に本当に好きな人が
出来たのを知っていた。
梨乃の所に行って
貴方が幸せになるなら
それでいいと、思っていた
と、言ったが‥‥‥

梨乃に叱られた。
と、話すと
綾は、泣き崩れて
「私をっ······
そばに·····置いて··くださいっ·····」
と、言った。

「愛せるか、わからないけど
それでも··良いのか?」
と言うと
「はい。かまいません。
  私が、勝手に愛しますから」
と、言う綾

梨乃‥‥俺、綾を愛せるように
努力してみるよ。
だから、梨乃も幸せになれ。
と、心の中で祈った。
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