愛を探して・・

✡✡突き進む


「梨乃、今日俺が付くか?
それとも、幸ちゃんの方が良いか?」
と、英志が訊ねた。

突然に彼氏だ、子供だと
言われて梨乃がパニックに
なっているかもと口にした。

すると
「英志さん、会社大丈夫?」
「明日の朝、一度帰ってから
出社するから、問題ない。」
「なら、今日は、英志さんにいて欲しい。」
と、言った。
幸は、笑いながら
「明日、来るね。」
と、言った。

その日は、皆、帰って行った。

病室に二人になり
英志は、梨乃の手を握りしめ
「梨乃、結婚のことで、
あの日喧嘩をしたんだ。
梨乃は赤ちゃんがいて
情緒不安定だったのにすまん。
それで、衝動的に手首を傷つけて
痛かったな、ごめんな。」
「····そうなの?
全然覚えてなくてごめんなさい。
今は、痛くないから。
英志さんが、見つけてくれたの?」
「ああ、びっくりしたよ。」
「かすかに、英志さんに
名前呼ばれた気がするの。
それに、私が寝てるときも
話しかけてくれたよね。
声に聞き覚えがあって、
温かい気持ちになっていたの。

それにね、意識ないとき、
ママが
梨乃には、幸せが待ってるから
きっと幸せになれるから
戻りなさいって‥‥‥
言ってくれたの。
それは、英志さんと赤ちゃんの
ことだったんだね。」

「ああ、きっとそうだ。
梨乃、愛してる。
目覚めてくれて、ありがとう。」
と、梨乃の手を握り締めながら
話す英志に
「私も、英志さんといると
安心するの、ありがとう。
でも、本当にごめんなさい。
なぜだが、思い出せないけど
赤ちゃんいるのに
自分の体を傷つけたりして。」

「ああ、大丈夫だよ。
でも、梨乃、好きの、言葉はくれないのか?」
と、言うと
「うふふっ。
  はい、大好きです?きっと。」

「まあ、少しずつ思い出せば良い。
今日は、一度に色々聞いて
疲れただろ、ゆっくり寝るといい
俺は、ずっとここにいるから。」
と、言うと

梨乃は、お腹を撫でながら
眠りに入っていった。

たとえこの先、記憶が戻っても
俺は、お前を離さない。
嫌、絶対に離せない。

俺が、梨乃を一生守っていく。

不思議な感覚だ‥‥
明日、婚姻届けを用意しよう。
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