愛を探して・・

✡✡⑥


英梨也は、体力が回復せずに
起きている時間より
寝ている時間の方が長い日々を
送っていた。

ひと月過ぎた辺りから
朝起きて、食事をとると言う生活が
出来るようになり。
梨英菜の動画みて、喜んでいた。

ばあちゃんやじいさん
真さん、春樹が、見舞いに来てくれた。

少し落ち着いてから
英梨也に腎臓をくれた人の話をした。
英梨也は、
「ありがとう
って、言わないと。」
と、言うから、山口さんに連絡した。

先生からも、落ち着いたから
食欲と体力が戻り、尿に問題なければ
退院となると、説明があった。

生体間移植が、近親者が多いと
いつか思うときが、来るかもしれない。
だけど、その時は真実を話すし
俺以外に、父親はいないと
解らせておけば、良い話だ。

梨乃にも話して
明日、山口さんが英梨也に
会いにくる。


次の日の夕方
山口さんは、英梨也の病室に来て
「英梨也君、元気になって
良かったね。」
「はい。あの、僕に
腎臓をくれて、ありがとうございます。」
「いえ、俺ので役にたてて
良かったよ。
英梨也君のお父さんに
頼まれたからね。」
と、山口さんが言うと
英梨也は、俺の顔をみて
にっこりと笑った。
俺は、英梨也の頭を撫でながら
「本当に、ありがとうございました。
おかげで、英梨也も元気になりました。」
と、言った。
< 91 / 95 >

この作品をシェア

pagetop