イケメン御曹司に独占されてます
「あのな、お前、自信なさすぎ。もう少し自分の置かれた状況を客観的に考えてみろ。
あの秀明さんが、ここまで手をかけた新入社員はいないそうだし、それに俺はいつも向かい側から秀明さんと萌愛を見てるから、秀明さんの気持ちは痛いほど分かる」


「池永さんの気持ち?」


「そっ。でも言わないけどな。それはちゃんと、ふたりで伝え合うもんだし。……って、俺もちゃんと七海子に伝えなきゃだな。今日はあいつんちに泊まろっかな」


「うん、そうしてあげて。今日、七海子元気無かったよ」


私の言葉に笑顔でうなずいて、野口くんはエレベーターの扉の中に消える。
誰もいないエレベーターホールで、私は本当に挑まなければならないことがなんなのか、ずっと考えていた。







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