イケメン御曹司に独占されてます
『福田様には、ぴったりのドレスがございました!』


と張り切って差し出されたのは、ベビーピンクのパフスリーブと、控えめに広がるAラインのシルエット。
シルクタフタの光沢が、控えめな華やかさを演出している、まるでプリンセスのようなドレス。


とても素敵だけど……。


『あの、ちょっと可愛らしすぎるんじゃありませんか?』


こんなの、まるで本当に絵本に出てくるプリンセスが着ているようなドレスだ。


『大丈夫ですよ。福田様なら、本当にイメージ通りに着ていただけます。とても控えめなお色ですし、目立ちすぎることもございません! これを見た途端、スタッフ皆、福田様を思い浮かべたくらいですもの。何より、秀明さまとお並びになった時、とても映えます!!』





どうしてホテルの衣裳室にまで、私と池永さんのことが知られているのだろう?
その理由は、ようやく一通りの挨拶を終えた池永さんと野口くんが私たちのところにやってきた時判明した。
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