イケメン御曹司に独占されてます
一段落ついたタイミングで、リフレッシュコーナーに飲み物を買いに行くと、そこには、帰り支度を済ませた沢田さんと広瀬さんが話し込んでいるのが見える。


結局、秘書課に希望を出していた沢田さんは総務部に、第三営業部を希望していた広瀬さんは経理部に所属されていた。


私と広瀬さんはお互い希望していたのと全く逆の部署に配属されたことになる。


ふたりは私を見るなり、眉をひそめてコソコソ話しだした。
相変わらず、意地悪な雰囲気を必要以上に押し出してくる。


リフレッシュコーナーに私たち以外誰もいないことを良いことに、ふたりの声はこれ見よがしに大きくなった。


「今日もさぁ、たまたま営業フロアに行ったら、福田さんがわざとらしく涙ぐんで、秀明さんに媚び媚びでさぁ」


「ああいう地味な子がやると、男の人って簡単に騙されるよね」


「ほんっと、あざといよね〜」
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